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無理なく無駄なくコツコツ続ける暮らしのそばの防災減災は、片付け習慣から始まる

過去の教訓から学ぶ「自助」「共助」

想像するところから、防災は始まります。

地震多発地帯に列島全体が乗っかっているような日本に暮らしている私達は、災害自体を未然に防ぐことはできません。

しかし、もっと身近に「防災」を意識し、個人レベルでも日頃からモノや心の備えで、被害を最小限に減らすことはできるんじゃないでしょうか。

災害の規模が大きくなると、国や自治体の援助「公助」は、時間を要しますから、個々の連携が重要になります。

まずは、自分の身は自分で守る「自助」、ご近所や地域のコミュニティを中心に、皆で助け合って地域の安全を自分たちで守り、助かった命を明日へと繋げていく「共助」が基本となります。

例えば、特別警報や大雨洪水警報が発令される前に、自宅周辺の様子を見て、ご近所とも声を掛け合いながら避難するといったことも重要だという事が明らかになっています。

私たちは、阪神淡路大震災や東日本大震災、大阪北部地震に続き西日本豪雨災害と、日本のあちこちで大きな災害に見舞われ、危機感を持ちました。

ですが、良くも悪くも時間というものは、私達の記憶を希釈し実際にその場で体感していないと、少しずつ曖昧になっていきます。

皆さん、どうでしょうか?

昔買って揃えた持ち出し袋が、押入れの奥に押し込まれたままになっていませんか^^;

お住まい全体を見渡して頂き、今震度6の地震が起きたらどういう状況になるかを想像してみて下さい。

そこから、防災・減災が始まるはずです。

身体で覚えて日常習慣にする防災意識

度重なる災害をTVなどで見聞きしても、なかなか自分の身に置き換えることが難しいものです。

実際その場で体験しないことには、具体的なアクションが起こせないかもしれません。

状況はいつも同じではありませんから、マニュアルを頭に叩き込んでいたとしても、実際は役に立たないこともあるでしょう。

だからと言って、何もしないで何とかなるさという程、自然は甘くないという事を皆さんもよくご存知ですね。

よく聞くのは、「いざとなったら、避難所へ行けば何とかなるでしょ。」と、あまりに楽観的です。

国や自治体は全力で援助してくれますが、全員を十分援助するほどの余力はないのが現実でしょう。

そして何より、発災後すぐには機能できず、72時間=3日間は自助共助で乗り切らねばならないと言われています。

どうですか?自力で生き抜く備えをしていますか?

一番怖いのは、「何も備えていなかった」という焦りです。

ですから、少しでも冷静に行動できるように、日頃から個人レベルでやれる事をやる。

それが、重要なのです。

30年以内に70~80%の確率で起こるとデータが示す南海トラフ巨大地震では、震度8~9と想定されています。

かつて経験した事のない大災害となることは、間違いないでしょう。

さぁ、私達はどう備えればいいでしょうか?

例えば、人は体験した事の無い事はできないものです。

学校で先生によく言われませんでしたか?

知って理解したら、やってみて初めて分かったと言える。

本を読んで理解しても、それは本当の意味で分かったとは言えないと。

学校でよくやった避難訓練などは、正にそれですね。

地域や職場の避難訓練や点検、連絡網の確認など積極的に参加して、自分の手と足を使って体験しておくことが大切です。

例えば、避難所へ移動するにも、自分の足で実際に歩いてみると、危険な箇所を見つけたり、予想以上に時間が掛かったりするかもしれません。

その時の状況に臨機応変に対応するには、別ルートを2~3知っておくことも必要でしょう。

非常時は、身体は固まり、冷静な判断ができず、適正に動けないかもしれません。

ですから、避難所を初めて行く場所にしないように、いつもの散歩コースや買い物の経由地にしておくといったこともいいかもしれません。

お子さんと一緒に確認しておくことも、大事ですね。

備えるというのは、何もモノだけではありません。

いざという時の為に、身体に覚えさせておくという事も、日頃の備えの一つです。

「防災」を日常習慣にしておくと、万が一の時に少しでも冷静さを保てるんじゃないでしょうか?

ここで視点を変えてみましょう。

「備える防災」というのは、「保険」と同じように考えると、分かりやすいかもしれません。

車を乗られる皆さんは、自賠責保険を掛けていますね。

もしもの時、自分や周りの人が困らないように、更に手厚く任意保険を掛けたりします。

生命保険も然りです。

更新していく度に、「一度も使わなかったから、勿体無い。もう止めた。」なんてことにはならないと思うんです。

むしろ、お守り的なものとして「あぁ~、使わずに済んで良かった。」と、感謝してまた更新していくはずです。

「防災備蓄」も同様に使わずに済んだら、それが幸せ。

有難いことと天に感謝し、使わないことを祈りながら備え続けていくものです。

私達は、いつどこで被災者になるか分かりません。

車に乗ろうが乗らまいが、事故に遭うリスクは誰にでもあるように、生きている限り災害がゼロになる日は、来ないのです。

だとしたら、せめて日頃から少しでも備えておく事で、被害を最小限に食い止めましょう。

自分で命を守る為に安心安全な住まいの見直し

災害が起こると、まず命が助かることが最優先です。

安全な所に避難しますが、そこが我が家なら一番安心ですね。

ここで、安心と安全は違うという事を念頭においてください。

「安心」というのは、心理面(ソフト)において不安が無い、心配が無いという意味です。

「安全」というのは、技術面(ハード)において危険が無い、危害の恐れが無いという意味です。

「安心」だからといって、「安全」とは限りません。

ですが、「安全」でないと、人は「安心」できないでしょう。

更には、「食事が摂れ、トイレにも行ける。夜になれば、休める寝床がある。」などの備えがある環境は、災害時の大きな「安心」に繋がります。

人が落ち着けるそんな場所というのは、やはり自宅です。

この「自宅が倒壊しない」というのが、防災備蓄において大前提となってきます。

幾ら食料を備えていても、住まいが倒壊しては元も子もありません。

ですから、自宅避難を可能にするためには、「耐震化」をしておくことが重要になってくるわけです。

耐震診断は、住まいを倒壊から守る

旧耐震基準では「震度5で倒れない」だったのが、新耐震基準(1981年6月1日に1978年の宮城県沖地震を受けて改正されたもの)では「ほとんど損傷しない」に変わりました。

簡単に言うと「軽いひび割れ程度で収まる」という少し厳しい基準になりました。

旧耐震基準で建築確認が下りた建物でも、最近では震度5クラスが珍しくない状況ですから、これでは不十分だという事で新耐震基準が制定されました。

こうした新・旧の耐震基準の差は阪神・淡路大震災で発生した住宅被害の差として明らかになりました。

旧耐震基準の70%近くの建物が小破から大破以上の被害を受けたのに対し、新耐震基準ではその割合は30%以下まで抑えられていたそうです。

大地震を想定して導入された新耐震基準は、阪神・淡路大震災で結果が出たということですね。

その時の直接死が約5500人といわれていますが、約8割が倒壊家具などによる圧死だったというデータも出ています。

つまり、地震で住まいの中が、危険地帯になったということです。

これを受けて、各自治体では、無料で耐震診断を行ったり、耐震化の補助金制度を行うなどして家屋の倒壊を何としても防ごうとしています。

防災グッズを揃えることも勿論大切ですが、まずは住まいの安全対策が基本です。

住まいのお片付けは、命を救う

普段私たちが暮らしている部屋の中が、既に危険なモノばかりだという事にも、目を向けてみましょう。

タンスの上など高い位置に、何を入れたか忘れているようなダンボールや箱などを置いてませんか?

テーブルの上には、常時いろんなものが置かれたまま、暮らしていませんか?

玄関や廊下に、モノを床置きしていませんか?

キッチンは、火を使いわれるものが多く、刃物まであります。

特に危険な場所になりますが、使った包丁は引き出しの中、扉の中へ仕舞う習慣にしましょう。

ひとたび大きな地震で揺れると、それらは頭や身体を直撃し命をも奪いかねません。

ガラスや陶器の破片は床に散乱して飛び散り足の踏み場も無く、危険を伴いながら避難経路をも奪います。

日頃、無意識の中で置いているモノが、私達に危害を加え命さえも奪う凶器になりかねないという事です。

分かりやすく言いますと、住まいが片付いていない程、危険のリスクが大きくなるという事です。

長年住み慣れた住まいには、住んできた人達の歴史があり、思い出がいっぱい詰まっています。

巣立って行った子供たちの机やタンス、着ない服がいっぱい入った大きな嫁入りタンス、普段ほとんど使わない食器が詰め込まれている食器棚・・・

もしかしたら、それらに命を奪われるかもしれないなんて、考えたことも無いでしょう。

防災備蓄を始めるのなら、住まいの整理という作業も同時進行すると、一層意味のあるものとなります。

要は、住まいのお片付けです。

「住」という字は、「人」が「主」と書きますが、皆さん宅は、「モノ」が「主」になっていないでしょうか?

「モノ」が「主」でいいのは、倉庫や物置です。

モノに支配されている暮らしが、もしも当たり前になっているとしたら、命を守るためにも主導権を取り戻してください。

長年暮らしていると、その光景が当たり前になっているかもしれませんね。

モノが多すぎると探しモノが多くなりますが、これは歳のせいばかりではありません。

お掃除も億劫になりますが、これも身体のせいばかりではありません。

こうした日々の暮らしの中で、不自由さを感じた覚えは無いでしょうか?

ただ、毎日のコトになっていて、気付かないだけかもしれません。

お片付けを日常習慣にすると、必要なモノがどこにあるかすぐ分かる。

簡単なお掃除で、衛生的にも綺麗を保てる。

何より気持ちがスッキリ過ごせます。

心地良い安心安全な住まいは、防災にも直結しています。

生きている限り暮らしは永遠に続いていくものですから、防災に終わりはないのです。

備えにくい理由を解消して防災備蓄が当たり前になる

住まいと命が助かったら、その命を明日へと繋ぐために、ここからが防災備蓄の出番です。

皆さん分かってはいるのですが、なかなかやり辛さを感じておられる方が多いというのも、正直なところでしょう。

2016年のネットリサーチがアンケート調査を行った結果ですが、こんな風にネックになっている項目が見えてきました。

「備蓄していない理由は「面倒だから」「まだ準備できていないだけ」防災に関するアンケート

やはり巷で耳にする通り、

  1. 「面倒だから、備えていない」
  2. 「必要だとは思っているが、まだ準備できていないだけ」
  3. 「賞味期限や使用期限などの確認や買い直しが大変だから」
  4. 「費用がかかるから」「防災用品は、価格が高いから」
  5. 「何を準備したらいいか分からないから」

備えにくい理由ベスト5は、こんな感じです。

その心境は、とても良く分かります。

何とかなるかぁと、楽観的に考えたくもなるでしょう。

いつもコンビニを冷蔵庫替わりのように使っている人は、もしもの時、直ぐコンビニへ走っても既に品薄状態かもしれません。

そして翌日から、物流は途絶え暫くは、品薄状態が続くでしょう。

入荷されても、店頭に並ぶと同時に売り切れとなります。

過去の例がそうでした。

では、少し見方を変えてみてはどうでしょうか?

防災備蓄を日常習慣にしてしまえばどうでしょう。

既に備えは万端だとおっしゃる方も、再度見直してみたり、もっと楽に無駄なく続けていける方法がありmす。。

ローリングストック法で日常習慣にすること

使いながら補充して備えるという考え方で、ローリングストック法というのがあります。

長期保存食を備蓄しておくことも、もちろん大切なことですが、日常の暮らしの中に食料備蓄を取り込むという考え方で防災備蓄のハードルを下げます。

普段から少し多めに食材、加工品を買っておき、使ったら使った分だけ新しく買い足していくことで、常に一定量の食料を家に備蓄しておく方法です。

食品を一定量に保ちながら、消費と購入を繰り返すことで、食品の鮮度を保ち賞味期限切れを無くします。

賞味期限切れにならないように入れ替えるという面倒で忘れがちな作業が要らないので、負担が軽くなります。

災害時は、極度の緊張状態が続き、食欲も無くしがちです。

そんな時に、いつも食べ慣れているものやコレを付けると何でも美味しく食べられるというものがあれば、常備しておくと良いでしょう。

自家製の梅干しやらっきょう、ふりかけや味付け海苔などもいい常備食です。

保存食というのは、何も3年や5年の長い期間のものに限った事ではなくて、半年や一ヶ月の普段食べ慣れているレトルト食品や缶詰もで十分構わないのです。

そのまま食べられるレトルト食品や缶詰は、ライフラインが止まる災害時には一番重宝するはずです。

ポイントは、食べて減ったら買ってきて補充し、常時一定量キープしておくことです。

無駄なく、お手頃に備える防災備蓄は、ローリングストックで日常習慣にするのが、一番負担が少ないやり易い方法です。

一度に全てを揃えないこと

防災用品を一度に全てを揃えてしまうと、一斉に入れ替え時期が来ます。

そうなると、負担も大きくなり次第に備えることが億劫になってしまいます。

ですから、何回か分けて購入したり、同じ商品でも購入店やメーカーを変えるなどして、消費期限をずらしながら少しずつ揃ても構いません。

また、防災用にと特化せず普段のモノを防災に活かすと、防災専用にわざわざ買い求める必要もありません。

いつ起きるか分からない災害ですが、手をこまねいて何もしないより全然良いですよね^^;

そのひと工夫を日常習慣にすることで、できるだけ負担を軽くしながら、ずっと継続していくことの方が重要だと思います。

防災備蓄の大切なコトは、暮していく限り終了させず、コツコツ継続していくことです。

勢いに任せて持ち出し袋を家族分購入し、安心してしまってそれっきりになってしまったのでは、残念です。

それよりは、少しずつでもずっと備え続けていくことの方が大事じゃないでしょうか。

常日頃から、モノと気持ち共々、防災を意識し暮らしの中で隣り合わせにしておくことが大切なんです。

毎年、毎月決まった日に見直しや補充をすること

とは言え、普段の暮らしの上に備蓄用にとなると、ちょっと億劫だなと感じるコトもあるかもしれません。

毎月防災予算を無理のない程度で確保して、毎月買い足していくようにするのは、どうでしょうか?

あくまで日常生活が優先ですから、差し障りの無い程度に予算を組んで備えていけば、途切れることがありません。

例えば、いつも利用するスーパーの○倍ポイントデー、給料日、年金受給日・・・に防災関連の見直しをして買い物をするといったルールを決めておくのです。

その日は防災デーにして、保存食などを晩御飯のメニューにし皆で食べ慣れておくのがいいですね。

好きな味や受け付けない味もあるでしょう。

好きなモノを用意しておけば、辛い時に生きる力の助けにもなりそうです。

また、保存食は勿論、防災関連用品も分かるように整理しておかなくては、数が把握できませんね。

家中、あちこちのスペースに無造作に水のペットボトルや、懐中電灯や電池などばらけていると、使う時も困りますが、補充する際も数を把握しにくく困ります。

「確か何処かにあったはず」より、「ちゃんとここにある」にしておかないと、防災備蓄になりません。

実際使う際に、確実に役に立たなければ、意味がありません。

例えば、電池は何に使うどのサイズの電池が何本必要なのか分かった上で、ストックしておくのです。

その為には、在庫管理が出来るように、使うモノと電池が一緒にまとまっていた方が分かりやすいですし、使いやすいでしょう。

ここでもお片付けの出番です。

おうちのあちこちに電池が転がっていたのでは、困ります。

使いかけなのか?

新品なのか?

もう切れてしまったものなのか?

日常の暮らしの中で使い切ったモノは、即処分するといった習慣があると間違いないわけです。

  • 使い切る前に新品をおろしてしまう。
  • 使い終わったモノをついその辺に置いてしまう。
  • ストックするモノを心配性でついつい買い過ぎてしまう。

こういった行動パターンのある方は、住まいの中にモノが多過ぎて危険な状態になっているかもしれません。

余計なものが溜まりがちで、大切なものがいざという時すぐに出てこないと、折角備えていても使え無くては、勿体ないですね。

防災備蓄は蓄えることですが、それは無闇にモノを溜め込んでいくのとは全く違います。

必ず使う時のことをイメージしながら、誰がいつ何のためにどこで使うのか?想像してください。

ポイントは、一緒に使うモノをセットにして収納しておくことです。

例えば、ランタンと懐中電灯などの照明用品と電池とか、カセットコンロとカセットボンベなどの調理用具とキャンピング用品といった具合にグループにしてまとめておくと、どこにあるか見当がつきやすく、すぐ取り出して使えます。

日頃から防災を暮らしと切り離さないで、身近に感じながら暮らしていくことこそが、大切です。

そういった意味でも、住まいのお片付けは、防災のはじめの一歩です。

いざという時の為に、住まいを整理しておくことが、やはり肝要です。

優先順位の高いものから1~2週間分備えること

水・食料・トイレは、生き延びる為に必須

おおよその目安は、家族分を1週間~2週間分備えてほしいと言われています。

水    2人家族の場合  3*2*7=42L  (ペットボトル21本)

食料      〃     3*2*7=42食

トイレ     〃     5~8回*2*7=70~114回分

生命維持に欠かせない水の確保が、最優先

最低でも、生きていく上で一人一日3リットル必要ですが、これだけでは不十分だと皆さんもお気付きですね。

飲料水は勿論、衛生上からも水は貴重なものとなります。

水は飲むだけでなく、手を洗ったり汚れを落としたり身体を清潔に保ったりと、あらゆる場面で必要になります。

ですから発災して直後まだ水道から水が出るようなら、こうした用途にも使える日用水を貯めておくことです。

日頃からお風呂に水を溜めておく習慣があれば良いのですが、それができない場合は直ぐに水を張ってください。

鍋ややかんにも水を溜めることをお勧めします。

最近では、ウォーターサーバーを利用しているご家庭も増えました。

水の質への関心が高まっていることもありますが、過去の災害の経験から需要が伸びた背景があるようです。

定期的に水を補充してくれ、使ったら補充してくれるローリングストックの水版ですね。

停電した後2~3日は、冷蔵庫の中のモノもまだ大丈夫でしょう。

十分注意が必要ですが、生鮮食品から消費していきます。

普段から、常備菜などの作り置きおかずの習慣をつけておくと、すぐ食べられるということで大活躍しそうです。

ライフラインが止まると、ガスの代わりにカセットコンロが重宝

極度の緊張状態の中、精神的にもきつい状況が続くと、温かいものは気持ちをほぐしてくれます。

ガスは、夏場と冬場で何本くらい必要なのかを試算して備えておく必要がありますが、イワタニさんのお客様質問ページを参考にさせていただきました。

災害に備えて、どのくらい備蓄したらよいですかカセットボンベ

大人2人で1週間だと一日1~2本は、使いそうですね。

買い備えるのも店頭によく出回る冬の時期の方が、買い求めやすいんじゃないでしょうか?

昨今、IHを使われるご家庭が多くなっていますが、電気も使えないかもしれない災害時に慌てないようにガスコンロを使い慣れしておく事や、使った後はガスの補充も習慣にしておくことが大切です。

 

できることから始めよう!防災対策 第3回‐内閣府防災情報のページ内閣府防災情報のページ みんなで減災

 

災害時の支援物資の中で、案外喜ばれるのがお菓子

甘い物は、冬場の温かい飲み物同様、緊張をほぐしてくれます。

普段のおやつにも栄養補助的なお菓子は、どうでしょうか。

食べやすくて、美味しい色んな味のものがたくさん発売されています。

気分も滅入り、心身とも疲れ切った中で、好物を食べられる幸せを確保しておきましょう。

また、災害時はどうしてもビタミンやミネラルといった栄養素が、不足気味になり栄養も偏ります。

そういったことも踏まえて、不足分を補う為に、野菜ジュースや季節のフルーツ、ナッツ類、栄養ドリンクやサプリメントなども普段から買い置きしているといいかもしれません。

普段の食生活を送る上で、少し防災・減災の事を考えて買い物をする習慣にしてはどうでしょうか。

災害時、水と同じくらい問題なのがトイレ事情

震度5強以上の大きな地震の場合、発災直後は水を流せません。

これは、常識なのですがご存知ない方がまだ多くいらっしゃいます。

震度5強というのは、一つの目安です。

自動的にガスが遮断されたり、NTT災害ダイヤルが開設されたりする基準となっています。

外からでは、建物の中を通る配管の破損状態が分かりません。

一ヶ所でもヒビが入ったり折れたりしていると、そこに付随するすべての排管に影響が出ます。

詰まったり、逆流してくることもあるそうです。

マンションにお住まいの方は、階下の方が大変な事になりますし、戸建ての方もあとの復旧作業に支障をきたすといったことにもなるようです。

大丈夫といった確認が取れてからでないと、水は流せないと覚えておかれるのがいいですね。

また、貯水槽など施設に被害が及んだ場合、その水も止まり断水状態になります。

「どこか避難所でも行けばいいや」なんて考えるのは、楽観的過ぎですね。

東日本大震災時では、仮設トイレ設置に4日以上かかったケースが66%もあったそうです。

一時も我慢ができないのがトイレですから、個人レベルで何かしらの準備をしておかなくてはなりません。

組み立て式の簡易トイレに凝固剤をふりかけるタイプや吸水シートを敷くタイプなどあるようです。

コスパ重視なら、凝固剤だけを用意するという手もあるでしょう。

バケツとゴミ袋と新聞紙があれば何とか急場はしのげるかもしれません。

何も備えていないより、ずっといいでしょう。

でも、その汚物はどうしますか?

一回ごとの使い切りタイプや何回か使いまわすタイプがあるようですが、使い終わった後の密封性が大事だと思います。

ゴミ収集車も、普段のように決まった曜日にやって来るでしょうか?

収集車がやって来るまでの長い時間、汚物を自宅に保管しておかなくてはなりませんね。

消臭力や抗菌作用があるものを備えておくと、不衛生になりがちな災害時の衛生環境を少しでもよくすることができるかもしれません。

十分な備えが無いとトイレを我慢するために、水分や食事を控えるといったことは、よく聞く話です。

当然、体調不良になりますし、エコノミー症候群、脳梗塞、心筋梗塞など誘発して、折角助かった命を再び危険にさらすことになります。

トイレが不自由だということは、生命維持にも関わってくる重大な問題です。

そんなことを想像すると、いろんな問題が見えてきませんか?

被災地の様子を聞いたことがありますが、異様な臭いが漂っていて、とても窓なんか開けられなかったと言われていました。

災害の恐怖は、そこかしこにあるという事です。

衛生環境は、とても重要です。

水が使えない環境でも、ウイルスや細菌の感染が無いように個人レベルでしておく備えが、自分を守りひいては地域を守るという事に繋がっていきます。

限られたスペースは、もっと大切なモノを優先して有効に使う

「今でも住まいの中はいっぱいなのに、防災のものまでもう置くところなんか無いよ」と、とおっしゃるかもしれません。

結論から申しますと、防災備蓄品を置くところが無いのは、住まいに無くても構わないような余計なモノがあり過ぎるからです。

ご心配に及びません。

防災備蓄用品全て一か所にまとめておく必要はありませんし、むしろ一か所にまとめない方が良いとされています。

一か所に集中して収納すると、そこに被害が出た場合、全ての備蓄が台無しになってしまいます。

ここが駄目でもあそこにあるから大丈夫として、分散させていた方がリスクを軽減できます。

持ち出し袋に関しては、一人一人専用のモノを用意するのが基本ですから、子供にも自分専用の持ち出し袋を準備しておくのがいいでしょう。

子供部屋にも子供用の防災備蓄収納をしておきます。

そうすると、一か所にまとめて広いスペースをとる必要が無く、文字通り分散収納で隙間スペースを有効的に使い、収めていきます。

それでも、もともと住まいにモノが多いお宅は、ここでお片付けの出番ですね。

住まいを整理し片付けられると同時に、安心安全も手に入れられる絶好の機会だと前向きに捉えましょう。

防災備蓄品は、日頃あまり使わないからといって押し入れの奥に押し込んだのでは、いざという時にすぐ使えないので、NGです。

使用頻度は低いモノですが、緊急を要するモノは別格です。

こういったケースはありがちで、ここを勘違いされている方が、多いかもしれません。

防災用品は誰でもすぐ分かり、すぐ出せて使えるところに置いておくのが鉄則です。

例えば、消火器は普段そうそう使うものではありませんが、目につく要所要所に配置されていますね、それと同じです。

そこで、防災備蓄用品を上手く収納する為にスペースを確保しなくてはいけません。

住まいの中には、使っていないけれどまだ使えるし、いつか使うかもしれないからと、ずっと置きっ放しのモノってないですか?

こういったモノは、防災備蓄品と同じ「いつか使うかもしれないモノ」です。

ここで、よくよく考えてみましょう。

同じ「いつか使うかもしれないモノ」でしたら、あなたにとってどちらが優先したいものでしょうか?

  • ずっと使ってないけれど、いつかまた使うかもしれないモノ
  • いつ起こるかも分からないけれど、万が一の時は家族の命を守る為に使うかもしれないモノ

さぁ、どちらに貴重なスペースを譲りますか?

どうしても空きスペースが見つからない場合、こんな風に住まいの中にあるモノを客観的に見て、モノを減らしましょう。

客観的にみるというのは、部屋の中をウロウロ見渡すのではありません。

レンズを通してみると、見えてきます。

携帯やデジカメで撮ってみると、今まで気にならなかった場所やモノに目が留まります。

何とかしたくなるはずですから、お試し下さい。

住まいは限られたスペースです。

大切に有効に使いたいですね。

粗大ゴミに出してもいいようなモノを置いておくには、勿体無い。

今家族にとって本当に必要なモノは何なのか?真剣に考えてみると、気付くかもしれません。

ついに、決断できるかもしれません。

片付けは命を守る日常習慣

防災備蓄は、沢山あればいいというものでもありません。

必要なモノが揃っているという事が大切なんです。

闇雲に溜め込んでは、返って危険な住まいになってしまう。

ですから、住まいを片付ける事は、命を守る日常習慣なんだと捉えましょう。

一番大切なことは、まずモノを整理することです。

整理されていないと、部屋は片付きません。

整理するというのは、モノを分けて、適正な量まで減らすことです。

その為には、分ける基準を持つ事です。

この基準は、人それぞれの考え方や価値観で違ってきます。

例えば、「好き」か「嫌い」かで分けた場合、好きって程でもないけど嫌いじゃないなとか、「要る」か「要らない」かで分けた場合、全部要るよとなったりしませんか?

曖昧なグレーゾーンがあると、上手くいかないんです。

この分ける基準を誰でも分かりやすく、白黒ハッキリつけやすいのが「使っている」か「使っていない」かという基準です。

もっと分かりやすくするには、期間を1年以内としたり、この夏の間としたりすると、更にはっきりしてきます。

たとえば、こんな分け方も面白いかもしれません。

 

1スタメン   毎日のようによく使うモノ

2ベンチ    準備してるモノ

3二軍     出番がないモノ

4戦力外    使えないモノ

 

こんな風にモノを分けて、1のスタメンと2のベンチだけを使うスペースに入れて、モノを整理していくというのはどうでしょう。

面白そうじゃないですか?

「使っているモノ」だけを、使う場所に収納します。

簡単に言うと、「使っていないモノ」を除いて暮らしてみるのです。

例えば、古い携帯電話、それに付随する充電器にコードやケースカバー、読みかけでそのままになっている本、もう遊ばなくなった昔のゲームソフト、隅がすれて使わなくなったバッグなど、、、

何年もそのままだったものは、この先もほぼほぼ出番はないでしょう。

これらが、随分スペースを圧迫しているんです。

それには理由があって、どうしても手放せないモノだったりするかもしれません。

モノというものは、人の気持ちが宿りやすいものなんです。

思い出の塊のようになってきます。

モノ自体には、既に価値が無くなって役立たずになっていても、そこに思いが詰まっていたりします。

こういったモノは、コンパクトにしたり、厳選して数を絞るなどして無理に手放す必要はありませんが、それを口実にアレもコレもとモノにしがみつくと、いつまで経ってもモノが主となった住まいは、快適に安心安全に住めません。

こうして分けた「使っていないモノ」を除くと、スペースが確保できます。

何を優先して残すのかよく考え、「どんな住まい方をしたのか」今一度頭の中の整理をしてみることも大切です。

モノの奴隷になってはいけません。

日常使っているモノと防災備蓄品を一緒に整理して定位置を決めたら、仕上げにラベルを貼っておくと良く分かります。

一日の終わりには、モノを定位置に帰し、リセットしてから就寝する事を習慣にすれば、万が一の時、モノが命を襲う凶器になるという事はないでしょう(^^;

むしろ、その正しく片付いた住まいが、いざという時には家族の命を救ってくれるのです。

防災は、

「いつもの暮らしを整える」

「いつもの暮らしにプラスする」

小さな備えが、大きな助けになります。

この整理収納の仕方は、私が開催しております講座の中で基本から学べます。

詳しくお知りなりたい方は、こちらの記事をご参考になさって下さい。

 

「片付けは、命を守る日常習慣です」

 

 

 

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ライター紹介 ライター一覧

陽子さんのお片付け

陽子さんのお片付け

整理収納アドバイザーとして講師活動をしつつ、防災備蓄収納1級プランナーとしてまた新たなステージに立ちました。
これから先の暮らしがシンプルでありながら、必要最低限の備えがある理想の暮らしを思い描きながら、イキイキと綺麗に歳を重ねていきたいと思います。

保有資格
2013年  ファイナンシャルプランナー2級
2015年  整理収納アドバイザー1級
2015年  整理収納教育士
2016年  整理収納アドバイザー2級認定講師
2017年  生前整理2級
2018年  防災備蓄収納1級プランナー
2019年  防災士

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