救える命を前に傍観者にならないために防災士になる
目次
防災士になるために「防災士養成公開講座」に参加
防災士になろうと思ったそもそものきっかけは、メインで講座を開催しております整理収納でした。
私は住まいをスッキリ整理し、いつもそこそこ綺麗にしておきたいと心がけています。
楽して時短に家事を済ませるために、なるべく余計なモノを置かない、買わない整理収納が私流です。
ですが近年、防災・減災が声高に叫ばれ、備蓄の必要性に目覚めました。
ですが、なるべく普段使わないモノなんて、住まいには置いておきたきたくないのですが、さてどうするか?
私と同じように考える方、多いんじゃないでしょうか?
そんな方は、こちらを覗いてみられるといかがでしょうか?
災害時の命を繋げる防災備蓄は、一種の籠城のようなもの
防災備蓄収納と整理収納は違います
理念
減災を目指し、“備蓄が当り前の日本”にする
使命
「自覚と知識と技術を持ち、人々に、安心で快適な暮らしを提供する防災備蓄のための収納を構築するプランナー」の育成
スローガン
Stock! Beauty & Smart. 正しい知識で美しく収納し備えよう一般社団法人 防災備蓄収納プランナー協会 代表理事 長柴 美恵
私は、整理収納アドバイザーであり防災備蓄収納1級プランナーですが、防災・減災について基本的なことをきちんと学んでおこうと思いました。
「防災士」という制度は民間資格で、防災のプロだとか、就職に有利とかいうものではありません。
阪神・淡路大震災発生後、大規模災害が発生すると行政主導の救助救出活動などが遅延・制限されるという教訓を踏まえ、民間人の防災リーダー的な役割を担うために創られました。
「”自助”“共助”“協働”を原則として、社会の様々な場で防災力を高める活動が期待され、 そのための十分な意識と一定の知識・技能を修得したことを日本防災士機構が認証した人 引用:日本防災士機構
まず最初に私が住む松山市は、「防災」についてどんな活動をしているのか、どのような備えをしているのか知りたいと思いました。
松山市は、防災士の数が市レベルで、断トツの全国1位を誇っています。
愛媛大学防災情報研究センター、消防本部、日本赤十字社、松山市総合政策部危機管理課が連携して、災害時には自助・共助を中心として地域で活躍できる防災士を養成することに、日々尽力されている賜物です。
誰に誘われるでもなく私もそこに乗っかり、何かのご縁があったのでしょうか、今回「防災士養成公開講座」を受けるに至りました。
愛媛県松山市では、年に4回養成公開講座を開催し、日本防災士機構主催の防災士資格試験を行っています。
松山市のみならず、県各地から参加されていました。
対象には県在住者とは明記されていませんでしたが、地域に貢献する意欲があり、確実に受講できる者とありました。
これから防災士を目指される方の為に、2019年の募集から受験までを私の体験に基づき、あくまで主観ですが、2020年資格取得に向けてご参考になれば幸いです。
こんな記事も書いてますので、宜しければご覧下さい。
愛媛県松山市で行われる「防災士養成講座」は一年に一度だけ、申請時期は6月の一週間(2019年)
5月頃に以下の通り、募集要項が「愛媛大学防災研究センター」のホームページに掲載されました。
1.受講申込書類の請求(仮受付)
請求期間令和元年5月7日(火)から6月14日(金)
定員に達したら、受付終了
愛媛大学防災情報研究センターのHPの「申込フォーム」かメール又は電話で書類請求する。
後日、受講申込書類が届く。
2.受講申込(本受付)
申込期間令和元年6月17日(月)から6月21日(金)〔消印有効〕
愛媛大学公開時講座受講料と防災士教本代金を合わせて¥13,500を振り込みます。
3.7月上旬「防災士教本」と履修確認レポートと受験票等が届く。
「防災士資格取得試験」の受験料¥3,000を振り込みます。
4.受講までに消防本部、日本赤十字社が実施する「救命講習」を受講し修了証を取得します。
5.2日間の講座を受講し、2日目の最後に試験を受け、約1週間後合否が送られてきます。
事務手続きの流れは、以上の通りです。
防災士の資格取得認証までにかかる費用は、以下の通りです。(振込手数料、送付料などは含んでいません)
愛媛大学公開講座「防災士養成講座」の受講料 ¥10,000
防災士教本代金 ¥3,500
「防災士資格取得試験」の受検料 ¥3,000
「防災士」認定登録料 ¥5,000
合計 ¥21,500
申込期間が、短いことに注意が必要
申し込み申請は、1週間で締め切られます。
気付いたら終わってた、なんてことにならないように6月になったら気に留めて準備です。
開催回は合計4回 2019年 8月22~23日
8月24~25日
10月17~18日
10月19~20日
全て定員に達しているようです。
HPには、定員各回80名とありますが、私が受講した会場には200名近くの参加者がいました。
長テーブルに2名座わり、それを2個引っ付けてありました。
それが横3つ並んでいましたから、12名が横1列に座っていました。
それが縦に15列はありましたから、180名は難い。
ここは推測で申し訳ございませんが、「松山市から推薦された方」という枠があるようです。
私のような個人で参加される方の枠が、80名なのかもしれませんね・・・?
とにかく、広い大きな会場でした。(別日程の普通救命講習もこの会場でした)
席のスペースは窮屈さもなく、ストレスはありませんでしたが、空調は要注意です。
じっと一日座りっぱなしなので、冷房が効きすぎて身体が冷えます。
夏季でも、羽織ものやひざ掛けなど用意しておくと安心ですね。
さすが防災士を目指すだけあって、リュックからストールを出してひざ掛けにしている人がいました。
日頃から、薄手のストール1枚鞄に入れておくというのは、防災ポーチと同じく必要かなと思いました。
救命講習を受講し、修了しておくことが防災士登録時に必須
修了証は、「防災士認定登録時に5年以内に発行されたもので、有効期限内のものだけが有効」とあります。
私が貰った「普通救命講習修了証」のカード裏には、再講習受講の記録欄があり、2回分の判が押せるようになっています。
そこには、2年から3年間隔で定期的に受講して下さいと、あります。
一度取ったら終わりじゃないんですね^^;
技能を忘れることなく維持向上させるためと、ありました。
なるほど、おっしゃる通りです。
この講習では、いざという時のとっさの対応も学びます。
大きな声で助けを呼んだり、慌てて駆け寄る前に周囲の安全確認をすることや119番通報してもらう人、AEDを持ってきてもらう人を誰か~ではなく、特定の個人に向けてしっかりお願いすることなど、細かい指導も受けました。
AEDの操作は単純で、誰にでも扱えるようになっていましたが、私は初めて触りました。
見たことがある、知っているだけでは、やはりいざという時には動揺して使えないかもしれません。
気道確保をし胸骨圧迫に至っては、こんなにも力と確かなリズムが必要だなんて思いもよりませんでした。
1分間に100~120回の速さを保って、心臓を圧迫します。
遅くても速くてもいけません。
手の平全体ではなく、下3分の1くらいの広い部分を重ね、腕を伸ばしたまま全体重をかけて押します。
模型の人体を使いますが、的確に当たっていると「カチッ、カチッ」と音がします。
私はこの音がなかなか出なくて、苦労しました。
押す力が弱く、ピンポイントに当たってないんですよ。
実際は、そんな音の頼りなんてないわけですから、手の感覚を知って覚えておかないといざという時、使えません。
道理で2~3年間隔の受講を促すわけです。
また、倒れている人の動かし方とか、のどに詰まった時の吐かせ方などペアを組んで、グループに分かれて一人ずつ実施訓練しました。
4名の女性消防団の方々のご指導の下、眺めているだけじゃなく、全員がきっちりできるように訓練します。
私が参加した回は、60名程参加されていましたが、うち女性は12名でした。
全部で6回の日程が用意されていましたから、300名以上の方々が受けられたと思います。
頭で分かっていても、実際やってみると難しく、力の入れ具合や当たり具合など、自分ができる限界も知れました。
これは救急車が到着するまでの応急処置ですが、どのくらい続けなくてはならないかというと・・・
私は、一人では無理です。
さぁ、あなたは大丈夫ですか?
もし、自分の子供が倒れていれば、そんなこと言ってられません。
教本を読んで20講分の履修確認レポートを書く宿題は、受講資格の一つ
いよいよ7月上旬に教本が届きます。
第1講から第31講まで368ページもある分厚い大きな教本ですが、指定された20講分の履修確認レポートを書いて、講習初日に提出しないと、受講できません。
原稿用紙も同封されていましたが、HPに入力フォーマットが掲載されていて、それを使ってPC入力で提出してもOKです。
要点をまとめ、感想・意見・自らができることなどを記載してください(1講目200文字程度)と、指示されています。
この200文字が割と短く、要点が納まりきれず感想が書けなかったりと手こずりましたが、この採点はないようなので、内容を頭に入れるための形だけだと思っていいんじゃないかと思います。
指定されてなかった残り11講分ですが、試験範囲に入ってない訳ではありませんでしたから、教本はすべて目を通しておくべきでしょう。
2日間のカリキュラム
2日間共、午前中2時限と午後から4時限で構成され、2日目の最後に試験があります。
講師は、愛媛大学、消防局、市役所危機管理課の方々です。
お昼休憩は1時間ありますが、5時も回り終わる頃にはクタクタです。
2日目は午前中、災害から命を守る救助技術として実技指導ありました。
全体を3グループに分けて、ローテーションで3つの課題を回りました。
消防士の方々から、丁寧に直接指導していただきましたので、とても分かりやすかったです。
1.ロープ結索は、「本結び」「巻き結び」「もやい結び」をマスターしました。
一人一本ずつロープを持ち、軍手をはめて汗だくになりながら、訓練しました。
2.担架作成・搬送は、6~7人のグループを作って共同作業です。
けが人を運ぶノウハウを学びましたが、毛布がない場合は上着を代替にするなど訓練をしました。
3.救出・救護訓練は、箪笥の下敷きになってるお人形をケガ人に見立てて、まず何に気を付けるのか?どう救助するのか?どんな道具を使うのか?実際にやって見せてもらいました。
外での訓練もあり、夏季の開催回はタオルが必要です。
試験の合格率は9割?
ネットで過去問がないか必死で調べたのは私だけではなかったようでしたが、どこにも見当たりませんでした。
せめて、どんな感じで出題されるのか知りたかった。
30問の問いは、それぞれ3択で正解番号を選ぶという方式です。
マークシートではなく、ひと昔前のアナログ的な要素が残っていて、ホッとしました。
時間は60分。(50分だったかも?時計が後ろにしかなく、腕時計をしていないと時間は分かりません)
できた人から試験官に直接手渡し、名前や住所、電話番号など記入漏れがないかチェックしてもらって終了です。
約40分経過で、3分の2くらいの人が退席していたように思います。
引っかけ問題のようなものはあまりなく、ストレートに問う問題だったと思います。
それでも迷うものがあり、記憶の曖昧さが露呈しました。
答え合わせをするも、問題用紙は回収されます。
帰宅後すぐに答え合わせをしようとした際、散々迷った挙句、結局どっちにしたんだっけ?これがまたはっきりしないときた^^;
年齢のせいにしてはいけませんが・・・
肝心のボーダーラインですが、昨年までは70%だったものが、今年から80%に引き上げらました。
30問中24問正解で合格となります。
それを聞いた途端、会場内がざわつきましたが、もうまな板の鯉です。
運を天に任せるしかありませんが、総じて合格率は非常に高く、一般は9割とも言われていました。
それを聞いても、肝の小さい私は、残りの1割に入るんじゃないかと心配が拭えません。
不合格の場合は、愛媛大学から再試験の案内があるようですが、その際の再受験料は免除となるようです。
一発合格したいものです。
2019年8月23日防災士資格取得試験は、こんなところが出題されました
記憶が消えかかっていますが、特に印象に残った箇所を挙げます。
ほぼ全般に渡っているんじゃないでしょうか?
阪神淡路大震災、東日本大震災は基本です。
ご参考になさって下さい。
防災士の役割について(第2講)
地震直後の行動について(第3講)
地震時運転中どう避難するか(第3講)
熊本地震時の木造住宅の被害について(第4講)
地震時の水道管システムの被害発生個所について(第5講)
災害用伝言ダイヤル171について(第5講)
トリアージの意味は(第8講)
地区防災計画について(第8講)
罹災証明とは(第8講)
避難所運営は誰が主体か(第9講)
エコノミークラス症候群とは(第9講)
阪神淡路大震災時の住宅被害について(第15講)
長周期地震動について(第15講)
火砕流について(第27講)
台風の気圧と風向きについて(第8講)
土石流とは(第19講)
津波警報の表現の仕方について(第23講)
噴火警戒レベルについて(第23講)
5段階の警戒レベルについて(第26講)
内水氾濫について(第27講)
帰宅困難者の行動について(第27講)
BCM(事業継続計画)の考え方について(第29講)
地震保険について(第30講)
漏れている所も多くありそうですが、予想外にも数字があまり出題されてませんでした。
一つの災害をとっても、災害の種類や原因、被害状況、情報伝達の在り方などいろんな切り口から、あちこちの講で実例として挙げられています。
過去に起きた災害の特徴をおさえ、その時のどんな教訓が活かされた法改正だったのか、避難するタイミングを分かりやすい表現に変えるなど、また技術の進歩と共に正確なデータを取り、いち早く住民へ危険を知らせ、減災に繋げていく努力をしている現状を理解することだと思います。
情報を受ける私達住民も、正しく行動できるよう意識レベルを向上させていかなくてはなりませんね。
合否結果は、1週間後郵送だそうです。
晴れて、防災士になれるでしょうか?
私にできることから防災減災を始め、防災士として広く活かしていけたらと思います。
私が開催しております住まいの片付け講座は、こちらからご覧ください。