非常時パニックを避け家族を安心安全に守る為に備えておく「水」は、どうするか?
目次
生き延びる事が先決
先ず命を守るには?
過去に起きた大きな災害は、まだ記憶に新しいところですが、被災地から遠く離れた地域では、自分自身が災害に見舞われた時のことを想像しにくいかもしれません。
100~150年の間隔で発生しているM8クラスの南海トラフは、今後30年以内にM8~9クラスの地震が70%くらいの確率で発生する可能性があると試算されています。
「まさかここで・・・まさか我が家が・・・」と、被災された方々が口にされていたことで、「ずっと安全な場所なんてないんだ」ということを思い知らされました。
この教訓を生かして、私たちができる事を日頃から備えておくことは誰もが重要なことだと知っています。
では、ひとたび災害が起きたら、先ず最初にする事は何でしょう。
命を守る事です。
何を第一に考えて行動すべきか、イメージする事でその時の優先順位が見えてきます。
海岸近くにいたら津波、山手に居たら土砂崩れ、山間部に居たら孤立、大都市に居たら大規模火災、、、とリスクは、一人一人違います。
更に、必ずしも災害は、家族みんながリビングに揃っている時を狙っては来ません。
災害が起きた時、平常心で冷静に物事が判断できるとは限りませんから、生活圏内だけでなく職場圏内など日頃から実際徒歩で避難所・避難場所を確認しておく事も重要でしょう。
いつどこでどんな時に起きるか分からないのが、自然災害の怖いところです。
ですから物心共に備えが、必要になってくるわけです。
むやみに怯えて暮らす必要はありませんが、頭の片隅にいつも少しだけ「もしもの時」の心構えをして暮らしていくことが大切だと思います。
防災備蓄の重要性
こんなデータを見つけました。
備蓄していない人が過半数を上回っています。
地域別で見ると、関東だけが備蓄していない人が備蓄している人を下回っていますが、北海道と中国は、備蓄していない人が7割を超えるという事態になっています。
なぜ備蓄しない人が過半数を上回るのか?
その一番の理由は、「面倒だから」
上位を占める備蓄していない理由には、「防災備蓄のやり方がよく分かっていない」という印象を受けます。
防災用として何も特別なモノを準備する必要はないんですが、難しく考え過ぎてしまうと「面倒臭い」「また今度」「そのうち」となってしまうのかもしれません。
「防災専用」のモノばかりではなく、普段使いのモノでも「防災備蓄品」になることに気付いてない方も多そうです。
何を、どのくらい、どんなふうに備えればいいか?―「水」
「防災備蓄品」を買い揃えようとなると、普段は使わないし、いつ使うかも分からないし、特殊品で割り高というイメージがあるので億劫になりがちです。
確かにそんな風に思ってしまうのも分かりますが、高価な防災専用品を買い揃えるばかりが備蓄ではありません。
また、アレもコレも大量に揃えるとなるとあまりに負担が大き過ぎますので、なるべくハードルを下げて少しずつ簡単に備えられるようにしたいところです。
備蓄のルール1買い過ぎない
真っ先に困る絶対欠かせない必須アイテムが「水」
過去のデーターから、被害が大きく広範囲に及ぶと復旧には一週間以上掛かっています。
3日分とはよく言われますが、最低でも一週間分は備えておくべきじゃないでしょうか。
生活用水は勿論ですが、生命維持には、「水」は不可欠です。
日頃は食事からも1Lくらいの水分補給ができると言われていますが、災害時は減少することを考慮して飲料水からしっかり水分補給する必要があります。
代謝水
体内で、脂肪や糖質などの栄養素が燃焼することで発生する水分 (燃焼水ともいう)不可避尿
体内の老廃物を溶かすのに最低限必要な尿。 つまり、1日最低500mlの尿を出さないと、体に老廃物が貯まり、病的な状態になってしまう随意尿
摂取した水分の量によって調節される分の尿。多く水分をとり過ぎたら、これで排せつする
体内の老廃物など排せつする5ooミリリットルと随意尿を合わせると約1.2リットルから1.5リットルの尿を排せつすることになりますから、その分は補給しないと生きていけないという事です。
災害時のニュースで良く耳にした「エコノミー症候群」は、十分な水分補給がされなかったことも引き金になっていました。
またトイレに行く回数を気にするようになると、水分をなるべく減らしたいがために「水」をなるべく飲まないようにしてしまいがちです。
かなりのストレスがかかる災害時は体調も崩しやすい上、健康を害し命を危険にさらすことにもなりかねません。夏場でしたら尚更多めに摂取する必要があるでしょう。
当然医療機関は混み合いますから、脱水症にも注意して特に子供や高齢者は、体調管理が大切です。
災害時、高層階にお住まいの方は特にエレベーターが使えない可能性もあり、給水車から何度も重たい水を抱えて往復しなければならないことなども考慮した上で、ライフラインが途絶えても十分な量を確保しておかなくてはならないでしょう。
1日一人最低3リットル×家族人数分×1週間分備えましょう
災害用の備蓄はローリングストック法が簡単
[浴槽に常時溜めておく方法]
メリット
- 一度に大容量確保できる
デメリット
- 小さい子供がいる場合、浴槽内でおぼれる事故の危険性
- 地震時の揺れの現象で高層階では浴槽から溢れる危険性
それぞれのご家庭の事情で状況が変わってきますので、賛否両論あるようで一概には言えないところですが、生活用水に大量溜めておけるメリットは、過去の体験者の方々の声も大きいようです。ただ、マンションなど集合住宅にお住まいの方は特に注意しなければならないのが、「トイレ用」です。
地震時は外からは見えませんが、水道管が破損していることがあり水を流すと大変な事になります。地震発生時は、水道管の安全確認がとれるまで「トイレは流さない!」が常識となっています。
[ペットボトルに汲み置きをしておく方法]
ペットボトル2L入りを何本用意するのかという計算になります。
4人家族ですと・・・3L×4人×7日=84L ざっと42本分
残留塩素がありますから一週間くらいは安全らしいですが、3日くらいを目安に入れ替えた方が安心のようです。
溜めるなら浄水器からではなく水道水で残留塩素を温存させた方が、持ちがいいですし、保存する容器も空気が触れる面積が小さい程劣化を防げますから、ペットボトルなど口の小さいモノがいいということになりますね。
ですが、かなりの量となると結構な手間がかかりそうです。
私にはきついかもしれません^^;
[ローリングストック法]
使った分だけ補充し常時循環させていくローリングストック法は、いざという時に賞味期限切れで使えなかったという事がないため無駄がなく、負担が軽い方法です。
今からペットボトルの水をストックし始めるのでしたら、無理のないところで毎月2ケースずつでも買い足していき、目標の本数になったところで使いながら補充していけばどうでしょう。
しかも、備えなければならないという暗黙のルールにさほど怯えることなく、防災備蓄がより身近な存在として自然と習慣化されるのではないでしょうか。
備蓄のルール2 無駄にしない
一度に全部買い揃えてしまうと、入れ替え時期が同じになってしまい、またそれが経済的負担や労力の負担となって備蓄のハードルを上げてしまいます。
購入店を変えたり、メーカーを変えたりしながら、賞味期限を少しづつでもずらしておくと入れ替えの負担が軽くて済みます。
備蓄のルール3 一度に揃えない
[ウォーターサーバーを利用する方法]
災害時は、店頭から水のペットボトルが姿を消しました。
被災地から遠く離れた地域でも、品薄になりましたね。あの時、良さを改めて見直されたのが、ウォーターサーバーでした。
近年、急速に市場が拡大されてきた背景には、水道水への不安や健康志向の高まりがあるだけでなく、美味しい安全な水が常時提供され、結果日常生活において大変便利だという事を皆が実感していることにあると思います。更には、災害時にも飲料水として最適であるならば今後益々拡大し、一家に一台の日が来るのもそう遠くない話かもしれません。
メリット
- 常時、冷水も温水もでてくる
- わざわざお湯を沸かす必要がなく、便利に使える
- 安心安全なお水が飲める
- 定期的に配送されるので、重い水を買いに行かなくて済む
- 防災備蓄には、コンパクトにストックできる
デメリット
- 水代の他、電気代やレンタル料なども掛かる
- 毎月の使用料のノルマや契約期間の縛りがある
- ボトル交換が女性や高齢者には負担になる
- スペースがいる
一本に大量入っていますから何十本も揃える必要もありませんし、注文しなくても自宅まで定期的に配送してくれますので煩わしい手間が掛かりませんが、ランニングコストがかかります。
水代のみでレンタル料他一切が無料とうたっていても条件に縛りがあったりするので、契約時にはしっかり確認しておかなくてはあとで困ります。
各メーカーの一長一短あるそれぞれの特徴の何を優先するのか、自分たちのライフスタイルに合わせて比較検討した上で、メーカーを選ぶ必要がありますね。
いずれにしても日常的にローリングストックの考え方で水の維持管理をしてくれるわけですから、災害時には強い味方になってくれることでしょう。
無駄に置いてるものを整理すればスペースはできる
部屋の中に設置するとなりますと、スペースも確保する必要があります。
お部屋の中には、使わないモノが案外たくさんあるのではないでしょうか?
もしかしたら使うかもしれない、何かに使うかもしれない、まだ使えそうで処分するにはもったいない・・・など、お部屋を有効活用できてない場合が往々にしてあります。
上手く片付ければ、家族を守る「使うかもしれないモノ」を備えられるスペースは十分あるのではないでしょうか?
お部屋を片付けて、「もしもの時」に備えたい方必見!
暮らしの中に溶け込む防災備蓄
飲料以外にも「水」は不可欠で大変貴重なモノとなりますから、最後の一滴まで無駄にできません。なるべく水を使わ無くて済む工夫をして過ごすことも必要となります。
- お米を研がずに炊ける無洗米を備蓄しておく。
- 水を入れただけで炊けるα米を備蓄しておく。
- 葉物野菜は使わない。
- 液体歯磨きを使う。
- 食器はラップを敷いて、使いまわす。
- レトルトや缶詰を利用する。
- ウエットティッシュで拭き取る。・・・
防災備蓄は、一過性のものではありません。暮らしていく以上ずっと続けていくことが重要ですから、負担が大きいと長続きしません。小さな習慣から始めましょう。
日常の延長線上に備蓄があるような暮らしを日頃から心掛けておくのが、一番簡単で有効な防災備蓄ではないでしょうか。
今回は必須アイテム「水」について書きましたが、「食品」についてはまた次の機会に。