家庭備蓄で真っ先に用意するモノは優先順位をつけてみれば進めやすい
2020年新型コロナウイルスの感染拡大に、世界中が大きな被害を受けました。
災害というのは近年の地震、津波、水災害だけでなく、こうした感染症もその一つです。
なかなか終息が見えてきませんが、こんな時どこかで大きな地震や津波といった自然災害が起きようものなら、それこそパニックが起き大変なことになりかねません。
こういう時期だからこそ、一人一人ができ得る備えをしっかりとして、被害をできるだけ最小限に抑えることが大切です。
頭では分かっていても、実際に行動するとなると、迷います。できない言い訳は、山ほど出てきそうです。
もっと簡単に考えてみましょうか。
まず困るだろなぁ~と思うことを想像してみて下さい。
優先順位をつけながら、書き出してみるのもいいかもしれません。
目次
家庭備蓄は命が助かって自宅が無事だった後に出番になる
被災すると先ずは命を守ることが最優先になります。
安全な場所に避難する必要がありますが、自宅がその安全な場所であった場合は、無理に避難所や避難場所に行く必要はなく自宅待機です。
避難所も人数制限がかかりますから、自宅が安全だと確認できれば、それが一番です。
状況にもよりますが、暫く籠城という事になるかもしれません。
家族も無事で家も無事だった場合、しばらくの間籠城して状況を見るとなった時、ミニマリスト的な暮らしをしていたら、どうでしょう。
想像してみて下さい。
ガラ~ンとした冷蔵庫の中には、ミネラルウォーターしかなくて、水一滴もないキレイに拭き上げられた浴槽には貯め水もなく、全てオール電化でデジタル化されていたら・・・
折角助かった命も、これではもちません。
助かった後、食料の備えがないというのは悲惨ですから、すぐさま買い出しに近所のスーパーへ駆け込むことになるでしょう。
頼みのコンビニやスーパーは、災害時のマニュアルがあると思いますが、お客が殺到し買占めを巡りいさかいもあるかもしれません。
翌日には、もうシャッターが下りたまま当分は開かないのではないでしょうか。
お店側も被災者です。
被災して数時間で必要になるモノは何でしょうか?
被災直後から時間経過と共に、どんな行動をするかイメージしてみて下さい。そこから、必要なモノやコトが見えてきます。
停電すれば、ポンプが止まりトイレに水を流せません。
排水管が損傷していれば、無理に水を流すと詰まって逆流したり、階下へ汚水が漏れたりすることもあるようです。
必ず、防災用トイレが必要になります。
防災用トイレというのは、自宅の便器が壊れず座れる状態であれば、便器に袋を被せて使います。
販売されている防災用トイレは、一般的に便袋、凝固剤、消臭袋の3点がセットになって入っています。
凝固剤で固めてジェル状にできれば、可燃ごみとして処理することも可能になりますが、可燃ごみに出すとしても、ゴミ収集車がいつものようにやって来るでしょうか?
暫くは自宅で保管という事になる可能性は高いと、覚悟しておいた方が良さそうです。そうなれば、あの不快な臭いは、防ぎようありません。臭いのストレスで体調も悪くなるかもしれません。
できることなら、防ぎたい臭い問題です。
消臭袋を省き、安価に抑えられているセットもあるようですが、この消臭袋は必要だと私は思っています。
赤ちゃんのオムツがにおわない袋というのがありますが、それも使えますね。このトイレ問題はコストが掛かりますが、ここは必要経費として家族でも話し合い、対策を取っておくべきところだと思います。
先日も友人に災害時のトイレについてふと聞いてみたところ、お風呂場に水を溜めてトイレに流せばいいのよと、さらりと語ってくれました。
ただの断水ならば、それもいいかもしれませんが、災害時はそれやっちゃうとアウトです。
まだまだ知らない無防備な方が多いというのは、怖いことですね。
口にするものが欲しくなります
更に空気が乾燥して埃っぽくなります。そんな時でも数時間もすればいつもの食事時間です。
調理が要らず、封を開ければすぐに食べられるものが、一番ストレスがありません。ペットボトルの飲み物や手っ取り早く空腹が凌げるものがあると助かります。
カップ麺は、お湯を沸かさなければ、食べられません。
直後は、ガス漏れがないか慎重にならないといけませんから、うかつにカセットコンロなども使用できませんね。
明かりが欲しくなります
また、夜になると停電していれば真っ暗闇ですから、明かりがなくては足元さえ危ない状態となります。
発災が夜であれば、住まいの中を移動するにも、すぐに明かりが必要です。今や枕元には常備というのが当たり前になっていますね。
人感センサーで明かりがつくモノも、いざという時は頼りになると思います。
暗闇というのは、一層人の気持ちを不安にさせますから、明かりがあると少しは落ち着き冷静でいられるのではないでしょうか。
部屋を移動したい時、停電の中キッチンで簡単な調理をしたい時、安全な部屋で家族が一緒に過ごす時など、いつ誰がどんな時に使うかをイメージすると、明かりの種類もいろいろあることに気付きます。
ヘッドライト、懐中電灯、ランタンなど用途をイメージすること必要です。それに伴って電源も用意しておく必要がありますね。電池のストックも大切です。
情報や連絡のためにスマートフォンが必要になります
今の状況がどうなのか、正確な情報が知りたくなりますし、離れた家族がいると安否の連絡を取りたくなります。みんなが一斉に電話を掛けたりメールをしたりすれば、繋がりにくくなることは既に経験済みですね。
過去に比較的繋がりやすかったのは、Twitterとかlineのインターネットでだったと言います。
日常的に所有する携帯電話の充電は、意識的に余裕を持っておくに越したことはありません。さらにバッテリーの予備を持つ習慣があると、数日は凌げます。
過去の災害時、備えてなくて後悔したナンバー1が、このバッテリーだったと言います。このバッテリーを少しでも温存するためには、携帯本体の設定ボタンから低電力モードへの切り替えもおススメします。
また、ディスプレイの明るさも自動調整して暗くすると、バッテリーの節約に繋がります。
冷暖グッズが欲しくなります
夏だと暑く熱中症対策が必要ですし、冬だと寒く低体温症対策が必要になります。
また、車の中で待機せざるを得なくなった場合、意外と知らない車中温度ですが、車は金属で覆われていて熱しやすく冷めやすいので、夏ならば熱がこもり温室効果でどんどん室内温度は上がり、冬は放射冷却効果で外気よりもグッと冷え込みます。
車中は、想像以上に暑くなり寒くなります。エンジンをかけたままエアコンをつけていると、バッテリーが上がってしまう恐れもあることから、車中用の対策も用意しておくべきですね。
こんな風に想像しながら、今何を持っていて何がないのか?をチェックするところから始めると、準備するものが見えてきます。
備蓄は最低1週間分は必要
国や自治体は、物資などの補給もさることながら、発災から72時間(3日)は人命救助を優先して全力を注ぎます。
一人でも多くの人命を助けるのは当然の事ですから、3日分の備えをという発想はここからきているようですが、過去の災害時のライフライン復旧をみると、やはり時間がかかっています。
ですが、いきなり多くの備えとなると大変です。取り敢えずは、必要なモノをリストに挙げて、少しずつでも用意していくことから始めましょう。
何もしないで、ただ不安にやり過ごしていても、前に進めません。少しずつでも始めましょう。
やり方は人それぞれ違っていていい
住まいの整理収納も、正解は一つではありません。人それぞれやり方が違います。同じにしようとしても、そこには無理があります。
防災備蓄収納においても同様です。決まった形があるわけではなく、それぞれの家庭で暮らし方が違うように、みんな違っていて構わないのです。
大切なことは、いざという時に欲しいものがサッと出せて、すぐ使えるという事です。
- 探さない
- 誰もがどこにあるか分かる
- ちゃんと使える
災害時も日常生活と同じですね。命が掛かっている分、より重要かもしれません。
防災備蓄用品は、普段使う頻度は低く、いつ使うか分からないからと言いう理由で、上の方や奥の方に押し込んでしまいがちです。尚更、何処へ置いたか忘れてしまうことに繋がります。
カテゴリーで分けてグループごとにまとめて収納したり、普段使いもするモノと災害時だけ使うモノに分けて収納することで、モノを迷子にしないことが大切です。
まずは、あまり難しく考えないで、いざという時に使える収納を目指しましょう。