続くキレイな収納は気遣いのこもった「見せる収納と隠す収納」の使い分けから始まる
目次
収納グッズを使いこなせば空間を自在に活かせる
昨今の収納ブームは、衰えることを知らない勢いで次から次へと新商品が開発され、私達のエスカレートしていく欲求を満たしてくれます。
プロの腕にかかると、空間を自在に操り見事に完成させます。
私達が大好きなビフォーアフターだ!
縦・横・奥行の空間の三要素を如何に上手く使うかが、腕の見せどころです。
そこで最後にいい仕事をしてくれるのが、収納グッズです。
ですが、次から次へ発売されるグッズに惑わされると、返って不都合なことになるかもしれません。
そこに欲しい収納グッズは、どれか?
ちゃんと見極めましょう。
「隠してスッキリしたい」が強すぎると裏目に出る
マイホームを建てるとなった時、必ず出てくる奥様の希望が「収納をたくさん取りたい」です。
とにかく出ているモノを中へ隠してしまえば、綺麗サッパリなかったことになると・・・
確かに頷けるような気もしますが、達人はともかく、一般的には所詮臭いモノに蓋をする的な危うさも漂います。
「隠す」ことも立派な収納方法ですが、そこにこだわり過ぎると根本的な事を見落としてしまいそうです。
「隠してスッキリしたい」気持ちが先走ると、収納は上手く機能していきません。
料理するのに段取りが必要なように、収納する事にもこの段取りが必要です。
まずは、余計なモノを取り除くこと
料理で言うと、野菜についた土や汚れをキレイに水で洗い流し、皮をむくのと同じ。
そのまま料理を始める人はいないでしょう。
住まいの中も余計なモノが混じっていると、仕上がりに影響します。
出来上がっても「思っていたのと、なんか違う」「そんなに変わり映えしない」となって満足できません。
では、どうすればいいか?その為に入念な段取りが、必要になってくるわけです。
隠したいというモノ達をまず整理することです。
ここが、完成度を挙げる外せないポイントです。
使う時のことを考えてどんな収納方法にすれば取り出しやすく使いやすいか?
次に料理の下準備ができたら、どんな風に調理すれば味しく食べられるか考えて、煮るのか、焼くのか、蒸すのか?調理法を選びますね。
モノも同じく、使うことを前提にどんな収納方法にすれば取り出しやすく使いやすいのかを考えます。
収納方法は、大きく分けると「置く」「入れる」「吊り下げる」この3つです。
「置く」
一番ストレートな収納方法です。
「見せる収納」とは、コレですね。
台や棚に置く。並べる。重ねる。
誰でも一番やり易く簡単な収納方法ですが、置き方にコツがあります。
ただ置いたのでは、それはただの出しっ放しです。
スペースが空いていたからという理由で置いたのでは、先に置いたモノが置くへ奥へと追いやられたり、上へ上へと重なり、ブラックホールを作ってしまう。
ブラックホールというのは、長く置き去りにされ忘れられてしまったモノ達が燻っている空間で、そこに何を収納していたかすら思い出せないそんな場所です。
例えば、キッチンの吊り戸棚、押入れの枕棚、食器棚、倉庫など、、、ブラックホールになりがちな場所は沢山あります。
置き方一つで、これを防ぐことができます。
ブラックホールを作らない為の置き方にひと技プラス
- 奥並べにして同じものを縦ラインで揃えて置いていくと、一番先頭つまり一番手前がラベル代わりになり奥のものまで把握しやすい。
- 奥には大きなモノを手前には小さなモノを置くと、奥まで見通せ埋もれません。
- グループにしてかごやケースでまとめると、把握しやすい
- 前揃えで置くと、高さや奥行がまちまちでも統一感がでます。
「見せる収納」を狙うのであれば、余白が大切です。
欲張ってアレもコレもと見せようと置いたのでは、綺麗に見えません。
また収納は、頻繁に使うモノを取り出しやすくしておく事も重要です。
空間を全部使うのではなく見せる場所を限ると、ごちゃごちゃした感じにならずスッキリ整います。
素材を統一したり、色のトーンを揃えたり、空間のイメージにあったお気に入りを選ぶことも、見せる収納には必要です。
センスが要求されるところですが、「好き」や「こだわり」で見せたい空間を作っていくのはどうでしょう。
「入れる」
クローゼットやタンス、引き出しなどの中にモノを入れて、空間を綺麗サッパリなかったことのように整えます。
「隠す収納」とは、コレですね。
一番スキルを必要とする収納方法ですが、収納グッズも沢山ありますから上手く使いこなせば自由自在に思った空間が作れます。
入れるだけで収納できてしまいますが、ただ入れただけでは使う時に必要なモノが直ぐ見つかりません。
そう、いつも探さないと始まらないといった日常になってしまいます。
多くの方が、ここにストレスを抱えているんじゃないでしょうか?
空間を綺麗サッパリなかったことにしてスッキリ整えたのに、いつも探している、そのうち元のごちゃごちゃした空間に戻っていた・・・そんなことありませんか?
収納する時の入れ方一つで、その収納グッズの良さが活きてきます。
探さない日常を送る為の入れ方にひと技プラス
- 中を四角く区切っておくと、デッドスペースができないので何が入っているか分かりやすい。
- 一緒に使うモノをグループにしてまとめると、準備や片付けが時短になる。
- ラベルを付けておくと、中身が誰でも分かりやすい。
- 入れるスペースとモノのサイズを合わせて収まるように、立てて入れたり並べたりすることでスペースを無駄にしない。
- 平並べにすると、まんべんなく全部を使いまわすことができ、重なって下敷きになったり決まったモノしか使わないといったことがない。
収納は、綺麗サッパリ整えた空間を維持していくことも、目的としています。
多くの方が気付かない盲点がここなんです。
そう、入れ方が重要!
「隠してスッキリしたい」が先行すると入れ方を疎かにしがちで、とても使い辛い収納となってしまいます。
その結果、「収納が崩れる」といった事態が起こってきます。
気付けば、隠して綺麗サッパリさせたはずが、そこら辺に出しっ放しになっていた・・・なんてことになる訳ですね。
やってもやっても終わらない住まいの片づけに、お疲れモードの方多いんじゃないでしょうか?
こんな所にも落とし穴がありますが、その要因というのはいろいろあります。
長年のお片付け下手からそろそろ卒業したい方は、ご自身の行動パターンを振り返り基本から学べるこちらの記事をご参考になさって下さい。
「吊り下げる」
一番お手軽な収納方法です。
ズボラさん向き、或いはかなり使用頻度が高いモノの収納方法です。
単体でフックに引っ掛けるだけで収納が完了してしまう「吊り下げ収納」は、魅力的ですね。
壁面を有効利用し、ウォールポケットを掛けて細々したものを整理し収納量を増やすこともできます。
アクション数も少ないので、そこら辺についつい置いたり掛けたりしがちな面倒臭がりな性分の方にはおススメです。
吊り下げ収納で大切なこと
- 衣類の場合は、吊り下げると型崩れするモノがありますから、素材に合わせます。
- スペースが必要になりますから、空間を圧迫しないように数を意識します。
- 実用性に偏らず見せる収納にした場合は、使用頻度や視界に入ってきても邪魔にならない見た目とのバランスを考慮します。
どんな収納グッズで仕上げればいいか?
料理の仕上げは、美味しそうに盛り付けて完成です。
住まいの中を綺麗サッパリなかったことにし続けるには、やはり最後は収納グッズが威力を発揮します。
肝心なのは、スッキリした空間をずっと維持していけるかどうかです。
いくら隠して収納しても、人が出して使います。
出し入れする度に、また隠してスッキリさせないといけませんが、皆が続くでしょうか?
「隠してなかったことにする」というのは、見た目を意識してのことです。
そこに、使う人サイドへの思いやりが欠けていると使いにくさから、崩れてしまいます。
そうなると、家の中に小さないさかいが起きます。
そうならない為に、敢えて「見た目重視」を一旦脇へおき、実用性重視にシフトチェンジします。
そこで誰のために何のために収納するのかという原点に戻ってみると、どんな収納方法で、どんなグッズを使えばいいか具体的になってきませんか?
何でもかんでも棚や引き出しの中に仕舞い込んだのでは、使いにくくて困りもの。
だからといって、手を伸ばせば何でも届くように出し並べていては、埃が溜まるし落ち着かない。
更に小さな小物は、その大きさに見合った収納でなければ紛れてしまう。
使う人にとって、どんな風に収納してあると使いやすいのか?
隠してスッキリさせながらも、使う人への気遣いが空間を維持していけるかどうかの決め手となります。
動線を追いながら収納する場所を決めたら、入れるモノの大きさや量に合わせて収納方法やタイプ、素材を選びます。
また、「使う目的」や「使う人」でグループ分けして収納すると、使う時どこに何があるか見つけやすくなりますから、サッと取り出せ直ぐ使うことができます。
この時注意することは、どのくらいの頻度で出し入れするのかということです。
頻度が高いモノに深さのある収納グッズを使うと、いちいち覗かないと取り出せません。
正面からは中が見えないように隠してあると、生活感が前面に出ずクールかもしれませんが、毎日使うようなものだとアクション数が多くなり、使う人にとってはストレスが掛かります。
こうした自分本位の収納には、家族のクレームが付きまといます。
またすぐ使うからといって、自分自身もいつの間にか、その辺りに出しっ放しにしてしまうかもしれません。
使う頻度に合わせて収納グッズを選ぶということは、整った空間を維持するためにとても重要です。
例えば、棚にファイルボックスを使って洗剤を収納する時、深さがあると中のモノが見えずキレイですが、毎日の出し入れはファイルボックスを引き出し、覗かないといけません。
毎日のことだと、いちいち面倒だと思う方も少なくないでしょう。
隠してしまえば、全てが丸く収まる訳じゃないんです。
一方、このファイルボックスの高さが半分だったら或いは、そのまま並べて置くだけにするとどうでしょう。
アクション数が少ないと、ストレスが掛かりません。
洗剤のラベルが丸見えで嫌なら、視覚的にひと工夫し流行の洒落た詰め替え容器をチョイスすれば、センスのいいスッキリ整った空間も作れます。
収納グッズは、同じようなものが沢山ありますが、素材からサイズ、色まで微妙に違い自由に選べます。
何を入れるのか
誰が使うのか
どこで使うのか
どのくらいの頻度で使うのか
どうやって使うのか
そんなことを具体的にイメージすると、次々出回る収納グッズに振り回されることなく自分に一番あったモノが見つかるはずです。
それは何も、店頭で買い求めるモノばかりでないかもしれません。
買い物をした時にもらう紙袋一つが、そこには一番いい収納グッズだったりすることもあります。
変化にも対応できるように先を見通す収納グッズで揃える
一つ念頭に置いておく事は、収納自体が将来的に変わっていくかもしれないということ!
その位置でこの収納方法が今はベストでも、1年後、数年後には不都合になってくるかもしれないということです。
そうなった時の事を考えて基本サイズが同じ収納グッズを選ぶとか、どこでも手に入りやすい収納グッズを選ぶといったことは、プロもよくやっています。
その場所で不要になってもほかの場所で使えたり、或いは同じものを一個ずつ買い足していけると、住まいの中に統一感が生まれ見せても隠しても実用的で見た目も綺麗な空間へと整っていくんじゃないでしょうか。
収納グッズも一つ一つがモノです。
住まいの中に使い切れない収納グッズが溢れていたのでは、本末店頭ですね。