「使いやすいキッチン」は動線と収納で、家事時短を叶える
老いも若きも気になる事と言えば、やはり体の「健康」じゃないでしょうか?
「体が資本」とはよく言ったもので、「健康」でないと精力的に活動できません。
無理して頑張っても、体を壊しては元も子もありませんからね。
人生100年という時代が到来すると言われている昨今、楽しく元気に老後を迎える為には「健康寿命」を意識することが重要じゃないでしょうか?
誰もが願う「健康な体」は、「食」と密接に繋がっています。
「食べること」は、私達にとって喜びであり心と体に豊かな栄養を与えてくれるもので、「健康」であるためのカギとなるものです。
その元となる「食」の通り道であり、また家族の「健康」を支える場所が、キッチンです。
目次
家事効率を上げるには、キッチンの整理環境を整える
今の世の中、家事や育児に追われ仕事もこなすワーキングマザーが、当たり前になりつつあります。
仕事から帰ると、今度は主婦としての仕事が待ち構えており、休む間もなく家の顔に切り替わります。
そんな仕事も家事も一人でこなすスーパーウーマンにとっては、とにかく家事時短は重要課題の一つといえるでしょう。
雑多な家事の中でも一番長い時間を掛けているのが、「食事の支度」です。
オイシックス、カルビー、カジタクの3社は5月23日、「忙しい主婦の家事事情」についての調査結果を発表。同調査は2017年3月23~29日の期間、20~50代の既婚女性1,516名を対象にインターネット上で行った結果
1日のうち、家事に費やす時間を尋ねたところ、6割以上の主婦が1日に3時間以上、家事に時間を費やしていた。「最も時間のかかる家事」については、61%の人が「料理」と回答したそうです。
彼女たちにとってキッチンは、住まいの中で一番長い時間仕事しているスペースだということです。
その仕事場が、使い易い環境であると仕事のテンションも上がりそうです。
オフィスを想像してみて下さい。
整理環境が整っていると、必要な書類が直ぐ揃い、過去のデーターもいつでも取り出せる、時間内に仕事が終わり残業の必要がないなど仕事の効率が良いばかりでなく、社外的にも信用が高まるでしょう。
住まいの中も同じく、整理環境が整っていれば、家事効率は確実に上がるはずです。
使いやすいキッチンとは、どんなキッチンか?
雑誌からお気に入りのキッチンを参考に、流行りの洒落たキッチングッズを揃えてみたり、高い機能性を備えた最新のキッチン家電を並べて真似てみても、何だかしっくりこない、どうも違うなんてことはないでしょうか?
まずこの部屋を、どう使いたいのでしょう?
どんな場所にしたいか、何を優先したいかは、そこで仕事する人のライフスタイルや価値観によって様々ですが、キッチンは、ギャラリーではありません。
むしろ、作業場といっていいでしょう。
この作業場を「どんなふうに使いたいのか?」という目的をはっきりさせておくことが、大切です。
- とにかく使いやすい
- カフェ風のオシャレ感
- 掃除しやすい
- ゲスト目線重視
- 家族全員が使える・・・
そうすると、何を優先していけばいいのかはっきりしてきます。
何をどこへ置けばいいか?何を残し、何を取り除けばいいか?迷った時の基準にすれば、整理して思い描く理想のキッチンに近づくことができます。
完成した後の満足感も違いますね。
どこのお部屋を片付ける時も同じですが、キッチンも一つの部屋として捉えてみましょう。。
目的は人それぞれ違うかもしれませんが、この場所は「ものを作るスペース」という視点に立ってみると、やはり「使いやすい」ということは、外せませんね。
効率のいいキッチンレイアウトには法則があった!
人の動きを辿ってみると、分かりやすいでしょう。
- 食材を冷蔵庫から出す。
- シンクで洗ったり切ったりする。
- コンロで調理する。
- 食器棚から器を準備する。
- 器に盛りつける。
こんな手順で作業がすすみます。
冷蔵庫→水回り→火回り→収納というゾーンを移動します。
この動線が一本に並んでいると、工場の製品組み立てのように無駄がなさそうですが、実際のキッチンでは、この4つのゾーンを行ったり来たりしながら、作業しています。
住まいの中でも特に動線を意識するキッチンは、できるだけ動きの無駄を無くし効率のいいレイアウトを決めていくのがベストです。
ワークトライアングルというのをご存知でしょうか?
冷蔵庫、シンク、コンロの3点を結んで三角形にすると、動線に無駄がなく使いやすいとされています。
ワークトライアングルキッチン用語集
この三角形が、正三角形に近くなるほどベストとされています。
大きすぎても移動距離(動線)が長くなりその都度時間がかかります。また小さすぎてもスペースが狭くなり作業しにくくななります。
三辺の合計は、360mm~600mmくらいが理想と言われています。
レイアウト一つで3度の食事の支度が、少しでも楽に楽しく、しかも時短になるなら見直してみる価値がありそうです。
そもそもキッチンは、モノが多くなりがちな場所です。
無造作にモノを置いたり入れたりしていれば、ごちゃごちゃしてくるのは当然です。
理想は、
欲しいものが、どこにあるか「すぐ分かるキッチン」
今使いたいものが、「すぐ手に取れるキッチン」
腕のいい大工さんの現場は、綺麗です。
建築途中の仕事終わりを見れば、分かるとまで言われますね。
キッチンも然り。一日を終えた就寝前のキッチンは、静かに眠りにつけるように整っていますか?
一日の始まりの朝が、清々しいキッチンからスタートできるように整えていきます。
冷蔵庫は、パントリーではなく一時保管場所であり、食費の通り道だった!
「食」の入り口は、「冷蔵庫」です。
扉を開けず、中のモノが把握できてますか?
「食べるため」「使うため」に折角買ってきた食材ですが、忘れたままになっていませんか?
タンスやクローゼットの中と同様、冷蔵庫も同じです。
自分の持ちモノが、全て把握できているか、否か?ということです。
持っていることを忘れてしまっているということは、少なからず無関心になっているということです。
買ってきて冷蔵庫に入れたら、そこでひとまず安心してしまう。
いつの間にか、賞味期限切れになっていたり、ミイラ化していたり・・・。
おばあちゃんから教わった「モノを粗末にしては、バチガ当たる」というやつですね^^;
買い物に行って冷蔵庫の中の事情などお構いなしに、「特売買い」や「ついで買い」を続けていると、冷蔵庫の中はみるみるキャパを超えてしまいます。
徐々に奥へ奥へと押し込まれ、随分前に買ったものが下の方や奥の方に溜まっていきます。
お金を払って折角買った食材が、無駄になるばかりでなく腐って異臭を放ち、他の新鮮な食材の環境も害してしまう残念な冷蔵庫になってしまいます。
冷蔵庫に入れておけば大丈夫だと思いがちかもしれませんが、そうではありません。冷蔵庫と言えど過信は禁物です。
私も良く常備菜や下ごしらえしたものを冷蔵保存します。
2~3日を目安に使い切るようにしていますが、こちらのサイトを参考にしました。
常備菜の作り置き、いつまで日持ちする? コツは? 正しい作り方と保存期間「人気の常備菜レシピ♪」ウチコト
一度封を切った食材や生ものは、早く使うのに越した事はありません。
ですから、中のものを全部把握していないと、使い切れない程買って帰ってしまい、腐らしてしまうという勿体無い結果になってしまいます。
更には、冷蔵庫は食費の通り道でもありますから、「買ったものを無駄にする」=「浪費」ということにもなるわけです。
作業動線を短くし、料理するのが楽しくなる冷蔵庫収納の解決策は、見える化すること!
広い冷蔵室を有効に使うポイントは、出し入れしやすくすることです。
トレイや取っ手付きかごなどでまとめると、何がどこにあるか分かりやすく、出し入れも簡単です。
入れる場所も一番手の届きにくい上段は、長いボトル類を寝かせて入れるか、取っ手付きかごでまとめる。
よく使う定番のモノは、取っ手付きかごやトレイに一緒にしてまとめておくと、一度で出し入れできますし奥までのスペースを有効に使えます。
再々冷蔵庫の扉を開閉しなくて済むと、無駄に冷気を逃すことなく経済的です。
しかも扉を開けたらワンアクションで出し入れできると、体の負担も少なく時短にもなります。
例えば、
- 朝食時に使うバターやジャム、チーズ、ハムなどをセットで収納しておく。
- お弁当に使う定番のモノをまとめてセットしておく。(昆布、梅干し、ふりかけなど)
- 数種類のドレッシングをまとめるなどは、・・・
毎日出し入れするモノは、手に取りやすい便利な位置=中段(腰から肩辺りの位置)に入れておくと、取り出しやすく仕舞いやすいですね。
扉の形状や冷蔵庫の配置によっても、使いやすい位置というのはそれぞれの事情で違いますから、ちょっと意識して中に入れるモノの定位置を決めます。
無造作にどこにでも入れてしまうと、次使う時が困ることに^^;
ポイントは、保存容器は透明なモノを使うことです。
いちいちラベリングしなくても、何がどのくらい入っているのか一目瞭然です。
視野に入っていると、忘れません。
調味料類などはドアポケットに立てたり、スリムなチューブ類はペン立て式に立てたりクリップ式で掛けたりすると、埋もれず綺麗にしかも使いやすく収まります。
ここが一番のポイントですが、全体的に欲張ってぎっちり入れないことです。
- 庫内が冷えにくくなる。
- 急な対応ができない。
- 入っているモノが分かり辛く、取り出しにくい。
2~3割余裕をもっておくと、予定外の頂きモノなどあった時、急場をしのげます。
モノが傷みやすい梅雨時期には、お鍋に残った料理もお鍋ごと冷蔵庫に一晩避難させておくこともできます。
いつも予備スペースとしてお鍋一個分くらい空けておくというのが、できる主婦がしている裏技です。
必然的に庫内は、いつもスッキリ整った環境が保てるというわけです。
冷凍室や野菜室に死角ができると、危ない!
冷凍庫や野菜室は、一歩間違えばブラックホールにもなりかねない場所です。
買ってきた食材を、上から次々重ねて入れていくと、下のモノは完全に死角になり隠れてしまいます。
すると、見えているのは上だけで、以前買ったものは奥へ下へと追いやられ、目に留まる機会も無くなりやがて食材としては、死んでしまいます。
たくさん入っている中に、活かされるモノともう活かされないモノが混在している状態になります。
よくある話ですが、干からびた生姜の切れ端が転がっていたりしてませんか?
では、どうすればいいのか?
収納ポイントは、買ってきた食材をそのまま入れないことです。
そんな面倒くさいって思われる方も、想像してみて下さい。
さぁ~料理しようとした時、パックから取り出して余った分をラップに包んだり、ジブロックに入れたりします。
やっぱり、そこでひと手間掛かってしまうんです。
然も、解凍するとなると、尚更面倒なことになりませんか?
厚みがあると、なかなか簡単に解凍できません。
レンジでチンして、熱が入り過ぎて失敗したなんてご経験ないでしょうか?
同じ手間がかかるなら、なるべく簡単で時短に繋がる方が良さそうじゃありませんか?
買って帰って冷蔵庫に食材を入れる勢いやタイミングのいい時を狙って、ジブロックに使う分ずつ小分けにし、空気を抜いてなるべく平たくして立てて入れておくと、断然楽ですね。
そうすることで、厚みが薄くなり解凍時間も時短でき、限られたスペースに沢山入れることができます。
厚み薄いと均一に溶けるので、手間がかからず時短にもなります。
そして何より、引き出した時に上から全て見えるので、死角ができません。
また冷凍庫の中は、予備スペースをあまり空けない方が保冷力を保てます。
冷気を逃しやすい隙間を作らないための秘策は、ジブロックに水を入れてしっかりファスナーを閉め、庫内の隙間を埋めておくといいですね。
これは、隙間の調整が自由自在でお手軽にできますし、更には災害時の貴重な水の確保にも一役買います。
野菜室も同様に、小さめのブックエンドやケース、或いは紙袋などを使って仕切ると、綺麗に整頓できて一目で中がよく分かります。
使いかけの野菜は、ラップに包んで使いかけばかりをかごにまとめておくと、まずその中から使っていけばいいので最後まで使い切ることができて、無駄が出ません。
野菜は、冷蔵庫に入れた方がいいものや外に出して風通しのいい冷暗所が良いものなど保存方法もいろいろで迷うところですが、このサイトを参考にしました。
野菜を保存する<保存の基礎知識> 野菜にとって最適な保存環境とは
コンロ下やシンク下は、奥行きや高さを仕切ることで使いやすく!
シンク下は水の気、コンロ下は火の気が運気を左右すると言われるところです。
また、衛生面にも注意を払った収納を心掛けたいところでもあります。
湿気が籠りやすいシンク下には、食品や調味料の収納は避け、動線を踏まえて調理の下ごしらえで使うボール・ざる、鍋、ラップ、ポリ袋、洗剤やスポンジ等のストック類、上棚には危険で置けない重たい鍋類などを収めると、良いでしょう。
洗剤の詰め替え容器を使う場合、密閉できるものがいいですね。
配管を避けらるスライド式の棚や風通しを考慮したすのこの棚、湿気でさびないプラスチックやステンレス製の棚、この字ラックなど使って高さを有効利用します。
書類管理に使うファイルボックスは、ここでも重宝します。
ツールや洗剤などをまとめて仕切ると、スッキリ整理整頓でき細々したモノでもまとまり、掃除も楽ですね。
最近のキッチンシンク下は、深い引き出しになっています。
上から見て全部見えるように、縦のラインを意識して立てて収納すると上手く収まります。
ペン立て、ディッシュスタンド、高さのある詰め替え容器なども使うと、手に取りやすくスペースに無駄も出ません。
牛乳パックやペットボトルの空き容器を、ちょうどいい大きさにカットして使ってみるのもいいんじゃないでしょうか?
コンロ下は、食品や動線を活かしてフライパンや鍋を収納すると、使いやすくなります。
シンク下と同様、棚やこの字ラック、ファイルボックスを使ったり、フライパンや鍋の蓋を立てて収納できる専用のスタンドを使うのもいいですね。
まとめ
主婦も外で働く現代社会は、いかに効率よく家事をこなしていくかが、大きな課題となっています。
主婦が一番長く過ごし、家族の「健康」を支える「キッチン」は、今や美味しい家庭料理を作るだけの場所ではなく、「ダイニングキッチン」「リビングキッチン」と言われ、それを囲みながら家族や仲間が集うコミュニティの場所となりつつあります。
「時短」や「動線」に注目して暮らしの中心に「キッチン」を位置づけし、使いやすく居心地のいいキッチンをプランニングしてはどうでしょうか?
キッチンに特化せず、「使いやすく」「居心地よく」住まうための講座もございます。